杜撰な経営管理

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実は私、このたびまんまと販売継続の危機に陥りました。

私の今の収入で、この原価で作ったものを、この価格で販売を続けていては、いつかはこうなるだろうと、薄々感じてはおりましたが、そろそろ限界が見えてきました。

作ることは好きですが、算数が苦手な私。

でもいきなり値上げするのもな。。と、もう少し様子を見てから。。と、よくわからない理由をつけては、一番肝心なことを後回しにしてきました。

私の悪い癖です。

けれど、このような気持ちでハンドメイド活動をされている方は、案外少なくないのではないかと思います。

勿論そうではなく、初めからきちんと原価と売上の(自分にとっての)適正を算出して、確実に、着実に売上を取っている方もたくさん見受けられます。

また、ハンドメイドをしているとよく云われる、「ハンドメイド=材料費プラスαで続けられれば」というスタンスの元で活動されている方が実際にいらっしゃることも確かです。

しかし本音は、好きでやっているとは云え、作業時間もかかるし材料費も手間もかかるから、利益もきちんと出せたら嬉しいけれど、あんまり高くすると売れないかもしれない、売れなかったら資材も買えないし、ハンドメイドを続けていくこともできない。。と、悪いループにはまり、なかなか簡単には値上げに踏み切れない方もたくさんいらっしゃると思います。

その中で私は、「ハンドメイド=材料費プラスαで続けられれば」というスタンスで販売を始めたわけでもなく、「きちんと適正価格を算出して売上を取る」ことのできる環境がありながら、その計算の仕方をきちんと理解しないままに販売を始め、実際の利益はプラスαにも達しておらず、気付けば資材費ばかりが膨らんで、でもこのタイミングで値上げするのはなぁ。。と、今更悩み始めると云う、一番良くないパターンです。


私には、ビジネスコンサルタントをしていた前職の上司様が作ってくれた、原価や諸々の販売管理費、希望の販売価格をセルに入力するだけで、自動的に総利益や営業利益などが算出できる、とても便利なツールがありました。

それでも私には適正価格を算出することができませんでした。

その理由は単純で、元々計算が苦手な私には、ポーチひとつでどれだけ利益が出れば良いのか、どれだけ利益が欲しいのか、その基準がよくわからなかったからです。

ネットで調べても色々なケースがあってよくわからない、他のがま口作家さまの価格を参考にしようと思っても扱っている資材や販売形態が違うから結局よくわからない。

私は何をするにも遅いので、ひとつの作業も人一倍かかり、作業時間を含めたら万単位の金額になってしまいます。

勿論、扱っている資材の価格とセミオーダー方式を採用している時点で、たぶんこの設定金額では低いんだろうな。。と云うことは、いくら計算のできない私でもなんとなくは自覚しておりました。


友人の一人に「セミオーダーでフェイクレザー使ってその値段って、逆に気持ち悪い」と云われたことがありました。

確かに私も自分がオーダーする側なら心配になります。

それで大丈夫なの?って。

けれど、それと同時に、がま口ポーチひとつに一般的に適正価格と言われる値段を付けて、一体誰が買ってくれるの?と云う、自分の技術に対する自信のなさから来る疑問や不安がありました。

おそらく、これが一番の理由です。

「売れなくなる」怖さ、これは、販売を続けていきたい人間にとって、とても恐ろしいことだと思います。

値上げすることで必ず離れるお客様がいること、それは避けられないことですし、そんなことを云っていたら販売などできないことは重々わかっていながらも、ようやく最近少しずつ目に留めていただける機会が増えてきた、このタイミングで値上げをすることを躊躇してしまう自分がいました。


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